2008年05月21日

四川大地震で被災地に向かう人々

 四川大地震から数日経ちましたが、日本の緊急国際救助隊は引き上げ、新たに医療チームが現地入りしました。

日本の医療隊、活動開始 中国・四川大地震




 【成都21日共同】中国・四川大地震で、四川省の成都に入った日本の国際緊急援助隊の医療チームが21日、本格的な活動を開始する。中国国内で同チームが活動するのは初めて。余震が続く被災地で安全を確保しながら負傷者の治療に当たる。

 外務省アジア大洋州局中国課の田尻和宏地域調整官(56)を団長とする医療チームは、捜索活動を終えた国際緊急援助隊の救助チームから引き継ぎを受けた後、成都市内で中国側と活動拠点の場所や医療活動のあり方などを協議。2週間程度の活動を想定している。

 被災地では清潔な水や食料が不足し、衛生状態が悪化。集団避難生活を余儀なくされ、体力も低下した被災者たちの間で、感染症が広がる事態が懸念されている。

2008/05/21 06:27 【共同通信】




 結局、四川大地震では救助チームが様々な理由から現地入りが遅れてしまい、余りその力を発揮できませんでしたが、医療チームは、需要がどこでもあるでしょうから、きっと活躍してくれるものだと信じたいです。
 ただ、数多くの犠牲者がいることもあり、医療物資が果たして足りるのか――恐らく大量に不足するのではないか、と心配です。

 また、被災地入りしているのは日本人だけではありません。

次世代指導者の習、李両氏 被災地入り


2008.5.20 19:38
 中国共産党の次世代最高指導者候補、習近平国家副主席と李克強副首相が20日までに、救援活動の陣頭指揮を執るため、それぞれ四川大地震の被災地に入った。約1000万人とされる被災者の疲労と不満が高まる中、2人にとって昨年10月の党大会後に指導部入りして以来、現場での手腕が問われる初めての大きな試練だ。

 胡錦濤国家主席の最有力後任候補である習副主席は19日午後、北京の中南海(共産党・政府所在地)で他の指導部メンバーとともに犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた後、陝西省入り。同省でも100人を超す死者が出ており、習氏は学校や病院を視察、地元当局者に「救援活動と復旧対策にしっかり取り組む」(新華社)よう指示した。

 温家宝首相の後任候補、李副首相は18日、胡主席と入れ替わる形で四川省入り。20日付の中国紙、人民日報は1面で習氏、李氏の順に動向を伝えたが、李氏は20日に震源地の同省●(=さんずいに文)川県を視察、習氏よりも存在感を示している。(共同)

産経ニュース


 党幹部が次々と被災地入りし、その指導力を発揮しようとしていますが、それが自分の政治権力をしっかりと持たせるためのアピールに見えるのがなんとも言えない所です。もっとも、政治とはえてしてそういうものですが。
 二人の次期最高指導者候補がどこまできっちりと行えるかですが――朝日新聞にこんな記事がありました。


党幹部、続々被災地入りし国民にアピール 四川大地震


2008年05月20日22時23分
 【北京=藤原秀人】四川大地震の被災地を、中国共産党の最高指導部・政治局常務委員会のメンバーが相次ぎ訪れ、救援活動の指揮にあたっている。9人のうち胡錦濤(フー・チンタオ)総書記(国家主席)ら6人がすでに現地入りを果たした。被災者救済が最優先、という姿勢を総力で示した形だが、思わぬ反感も招いている。

 温家宝(ウェン・チア・パオ)首相は地震発生の12日に直ちに四川省入りし、被害者救助のための緊急指示を出した。16日に同省に入った胡氏は温氏から引き継ぎ、党や軍に、被災者対策、復興という中長期的な観点からも指示を繰り出した。2人で危機管理ができていることを内外にアピールした格好だ。

 報道によると、胡氏は18日午前まで四川省に滞在。「全国哀悼日」初日の19日午後には、北京の中南海で黙祷(もくとう)する模様が伝えられた。哀悼日の中心行事に現れることで「悲嘆」の局面を国民の「団結」に変える狙いがうかがえた。

 中国メディアは党の序列に従って指導者の動向を伝えている。人気のある温氏やトップの胡氏、農村出身の李克強副首相らは白シャツ姿で甚大な被害が出た四川省を歩き、好評だった。だが、若手指導者の習近平・国家副主席は青のボタンダウンシャツを着て被害の少なかった陝西省に現れ、反感をかった。

アサヒ・ドットコム


 現在の最高指導者二人が被害の大きかった四川省の救助活動を指導しているのに対し、次期指導者は被害の少ない地域の救助活動を指導していることで反感が出ていると言う記事です。
 しかしながら、それは最も被害の多かった地域は先に現地入りした最高指導者達が自分の「取り分」として縄張りを確保してしまったため、若い次期指導者の人達は残りの周辺地域しか担当させて貰えなかったのではないかと思います。まあ、想像でしかないのですが。
 なんにしても、自分たちの権力をアピールするよりも、被災地の復興に力を向けて貰いたいと願うばかりです。


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Posted by 哲学 at 08:24│Comments(0)ニュース
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