2008年05月13日

中国大地震に五億円支援

 昨日あった中国四川省の地震について、色々と続報が来ています。
 中国が各国に支援を要請せず、断っていた(毎日新聞より)ために復旧作業が中国政府当局のみで進められていますが、なかなか追いついていないようです。

成都市民ら余震恐れ戸外で一夜、電気・ガス止まった建物も


 【成都(中国四川省)=末続哲也】大地震に見舞われた四川省の省都・成都では13日、市民多数が余震による被害を恐れ、戸外に避難して一夜を明かした。

 一部地域では建物が崩壊し、電気やガスが止まった建物も多い。小中学校が授業を見合わせたほか、企業や商店の休業も相次ぎ、省内最大都市の市民生活に深刻な影響が出ている。

 13日午前4時(日本時間同5時)ごろ、成都市中心部に車で入ると、歩道や公園は、野宿する住民たちであふれていた。路上の車の中に泊まる住民も多い。

 同4時10分ごろ、突然、車道に多数の人が飛び出してきた。車を止めて聞くと、住民たちは「強い余震があった。本当に怖い」と口々に訴えた。余震は「10~20分に1度の頻度」で続いているという。

 路上で3歳の娘を抱いて一夜を過ごした女性会社員の王霞さん(31)は「宿舎が老朽化して危険なので、帰宅が禁止された。ほとんど寝ていない」と不安そうに話した。

 家族3人で野宿していた元医師の劉孝寛さん(64)は、大地震発生時にはアパート5階の自室にいた。「1~2分間、立っていられないほどの強い横揺れを感じ、本棚の本などがバタバタと落ちた。怖かった」と振り返る。アパートは前日夕から電気とガスがストップしたままという。

 一方、成都の繁華街のホテルでは、地震で落ちてきた客室のエアコンに直撃され、客1人が足を負傷。さらに客室や通路の壁が一部はがれ落ちた。ホテルは営業を中止し、客と従業員の全員が外に避難した。ホテル前では、上海在住のツアー客の男性(45)が、「ここで何も食べずに夜を明かした。ツアーは途中だが、中断せざるを得ない」と、嘆いた。
(2008年5月13日11時06分 読売新聞)


 この地震による死者は7000人以上とみられ、阪神大震災以上の被害が予想されます。
 阪神淡路大震災を経験した哲学さんとしては色々と思う所のある話です。
 あの当時は村山総理が神戸の状況を把握せず、自衛隊の出動が遅れ、救援が遅れてしまいました。
 今回中国政府はすぐに温家宝首相を派遣しましたが、それだけではやはり追いつかないでしょう。日本の時ですら日本一国では足りなかったというのに、沢山の人と、車の通らない大きな自然――中国の内陸部では厳しいでしょう。

 まあ、結局中国一国では復旧しきれなかったようで、各国の支援を受け入れることにしたそうです。

中国、国際援助受け入れへ


 中国外務省の秦剛副報道官は13日の定例記者会見で、四川大地震をめぐる各国からの支援申し入れについて「心から感謝と歓迎の意を表明する」と述べ、国際社会からの援助を積極的に受け入れる考えを強調した

 秦副局長は、日本、米国、ロシアなどが援助に向けた準備を進めていることを念頭に「多くの国家と国際組織が直ちに慰問のメッセージを送るとともに、震災対策への支持と援助の意思を伝えてくれた」と強調。関係当局が援助受け入れに向け、各国との連絡窓口を設けたことを明らかにした。

        (共同)
産経ニュース


 そして、日本も昨日から支援することを表明していましたが、具体案を提示しました。

2008/05/13-20:16 5億円相当の資金・物資を供与=中国大地震で追加支援も-高村外相


 高村正彦外相は13日夜、中国四川省の大地震被害への当面の支援として、5億円相当の資金と物資を供与すると発表した。中国側の要請に基づくもので、中国政府や国際機関を通じて被災者を支援する。外務省で記者団に語った。
 資金と物資の内訳、供与品目は中国や国際赤十字など国際機関と調整。シンガポールの備蓄倉庫にある毛布やテントは現地に送ることにしている。北京の日本大使館員らの被災地入りも検討する。
 高村外相は追加支援について「被害がさらに拡大すればあり得る。要請があれば人的支援もする用意がある」と強調した。
 一方、町村信孝官房長官は同日午後の記者会見で、同省の在留邦人約300人のうち、半数を超える約160人の無事を確認したことを明らかにした。また、邦人旅行者を含め「今のところ被害の報告はない」と語った。政府は、被害に巻き込まれた邦人がいないか安否確認を続ける。

時事ドットコム


 支援するのは資金と物資だけのようで、人的支援は中国が受け入れないせいか、無理なようです。
 穿った見方になるかも知れませんが、こういうケースの場合、資金などは復興資金に使われず、政治家の懐にはいるという事例が多々あります。そういうことにはならないように、日本としてはきっちりとした対応をしてもらいたいと思います。
 また、人的支援を拒んでいるのも、おかしな話です。四川省は元々チベット領で、チベット人が多く住んでいます。チベット自治区も近いです。もし、人的支援を他の国がしに行けば、チベット人達が冷遇されることなどが白日に晒されることになりかねません。また、ここで中国政府だけで地震の復興をすれば現地の人達に中国政府の意向を示せますが、外国人達を入れてしまうと、その感謝の気持ちなどが外に向かい、自分たちの現状が劣悪であることを再認識し、中国政府への不満を爆発させる起爆剤になりかねません。つまり、一歩舵取りを間違えば中国共産党の政権基盤を揺るがす事態になりかねない訳です。
 ともかく、その国体の維持のために現地の人達の救援が遅れてしまうようなことのないように祈るばかりです。
 


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Posted by 哲学 at 21:35│Comments(0)ニュース
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