2008年04月20日

聖火リレー、バンコクの様子

 19日、バンコクでの聖火リレーは無事に終わったそうです。

北京五輪:バンコクでの聖火リレー混乱なく…厳重な警備


 【バンコク藤田悟】タイの首都バンコクで19日午後、北京五輪の聖火リレーが行われた。各国で相次いだ混乱回避のためのコース変更などは行われず、約3000人を動員した厳重な警備の下、10.5キロのリレーは大きな混乱もなく終了した

 東南アジアで初めての北京五輪聖火リレーは、バンコク西部の中華街を出発。聖火は旧国会議事堂まで約3時間をかけ、80人の走者の手で受け継がれた。青いユニホーム姿の中国の「聖火警備隊」が並走。警官らが沿線で警戒に当たり、ヘリコプターも動員された。

 沿道では、チベット支援団体のメンバーら約300人が「チベットに自由を」などと書いた垂れ幕を掲げ、中国のチベット政策に抗議の意を示した。聖火隊とともに走っていた中国人留学生ら数百人とにらみ合う場面もあったが、大きな混乱はなかった。

 聖火はこの後、隣国マレーシアに運ばれ、21日にクアラルンプールでリレーが行われる。

毎日新聞 2008年4月19日 20時54分(最終更新 4月20日 0時06分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20080420k0000m030067000c.html


 東南アジアでの初の聖火リレーでしが、今までのような混乱はなく、しかも10.5kmと長距離を走っています。昨日の2.3kmのニューデリーとは大違いです。
 まあ、本来の落ち着きを取り戻しつつある……と思ったのですが、映像を見て、やっぱり異常な光景だな、と哲学さんは思いました。
 民間人が撮影した映像なのですが、こちらを見てください。(動画:1分15秒)



 最初は聖火が来る予定の場所で観光客などが写真を撮っています。
 沿道で聖火を待っている人はほとんどいません。
 しばらくすると、例の青い聖火防衛隊が来て、写真を撮っている人達をどかせます。
 次に、「Don`t War! Don`t War!(戦争反対、戦争反対)」と叫びながら中国国旗を持って走る人が通り過ぎ、後から後から「ニーハオ、ニーハオ」「ツァイツェン」「ニーハオ」とか沢山の赤い中国国旗を振る中国人らしき人達がゾロゾロと聖火ランナーを囲んで歩いてきます。
 映っていないだけかもしれませんが、ほとんどタイ人は見あたらず、聖火の周りを中国人ばかりが囲んで、突き進んでいます。
 見渡す限り赤い旗をもった中国人ばかり……。
 上の記事には「数百人」と書かれていましたが、たぶん、チベット支援者の300人より多かったのではないでしょうか。タイの人達がそれほどオリンピックに関心がないのか、ともかくタイなのに中国人ばかりの異様な光景に見えました。
 また、彼らはマスコミに向かってはこんな感じで叫んでるみたいです。(動画:30秒)

「I love 北京」
 「「「 I love 北京!! 」」」
「I love China」
 「「「 I love China!! 」」」
「Welcome to 北京」
 「「「 Welcome to 北京!! 」」」
「Welcome to China」
 「「「 Welcome to China!! 」」」
 リーダーらしき人が叫び、それをみんなで繰り返す。実に統制の取れた行動です。
 でも、こういうのって普通は「デモ活動」する人達の行動で、「おいでませ中国!」というイメージよりも「中国来んかい!」という風に見えます。なんかこう、和気藹々という雰囲気よりも相手の反論を許さない強権的なイメージが強いです。ともかく、やり口がデモ活動のソレなのはどうなのかと……。
 まあ、情勢が情勢だけに仕方ないのかも知れません。彼らにとって見れば祖国分離の危機なのですから。
 とはいえ、チベット側は誰も「独立したい」なんてことは言ってないのですけれど。

 後、時事通信ではとんでもないことが書かれていました。

2008/04/19-21:35 バンコクで聖火リレー=沿道で抗議行動、混乱なし
 【バンコク19日時事】北京五輪の聖火リレーが19日午後(日本時間同)、タイの首都バンコクで行われた。ルートの途中では、「チベットに自由を」と書かれたプラカードなどを手にした人権活動家ら約100人が中国政府によるチベット暴動の武力鎮圧に抗議し、中国国旗を持った人々と口論になったが、大きな混乱はなかった。
 聖火は80人がバンコク中心部の中華街から旧国会議事堂前広場までの約10.5キロをリレー。中国の「聖火防衛隊」が走者に並走した。
 日本でも長野市の善光寺が直前になって出発地点となるのを辞退するなど各国でコースの変更や短縮が相次いでいる。タイ五輪委員会も妨害活動に備え短縮ルートを準備したものの、結局、当初計画通りのコースでリレーを行った。
 治安当局は警官ら約2000人を投入し、警戒に当たったが、多くの人がコースに入り込み、走者が立ち往生する場面も。聖火をリレーした直後、何者かにトーチを持ち去られた人もいた。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008041900275
時事ドットコム


 混乱はなく終了した……って言いながらトーチを奪われてます。これって立派な大問題ではないのでしょうか。
 しかし、他のマスコミではほとんどこの事が報道されてません。一体どういうことなんでしょうか。
 ……きっと、大した混乱はなかった、そういうことになってしまったのでしょう。


 さて、来週は我が国の長野で行われる訳ですが、日本はあくまで聖火防衛隊を拒否し、伴走者を二人だけ認める方針のようです。

中国の聖火防衛隊拒否伝える 長野県警、伴走2人は容認



 長野市で26日に行われる北京五輪聖火リレーで、青いジャージー姿で伴走する中国人の「聖火防衛隊」について、北京五輪組織委員会から複数回派遣の申し入れがあり、長野県警がその都度受け入れを拒否する意向を伝えていたことが19日、関係者の話で分かった。

 政府は防衛隊を受け入れない方針を示していたが、具体的な派遣の申し入れがあり拒否していたことが判明したのは初めて。トーチの火を管理するための中国人2人の伴走は当初計画通り認める。聖火が消えた場合に再点火する仕事などに専念させ、警備には関与させない方針。

 関係者によると、北京組織委の担当者は16日から長野市を訪れており、ルート視察などを続けている。その過程で、リレー走者の安全確保のため7人程度の防衛隊の伴走を認めるよう、長野県警に対し要求した。

 しかし県警は「安全は責任を持って確保する」として、申し出を拒否した。中国側は担当者が長野市入りする前にも防衛隊派遣を要求したが、日本側は拒否していたという。
http://www.47news.jp/CN/200804/CN2008041901000360.html
47news


 日本は一貫して警備は日本が責任を持つ、というスタイルを崩していません。とても立派な姿勢です。
 抗議活動そのものは暴力行為などに訴えない限り構わないと思いますが、不要な混乱のない聖火リレーであることを願います。

 ただ、日本は中国人留学生2000人が長野に集結すると言われてますから右を見ても左を見ても中国人ばかり……ということになりそうな気もします。
今後の聖火リレーのルート
4/21 クアラルンプール(マレーシア:首都)
4/22 ジャカルタ(インドネシア:首都)
4/24 キャンベラ(オーストラリア:首都)
4/26 長野(日本)
4/27 ソウル(大韓民国:首都)
4/28 平壌(北朝鮮民主主義人民共和国:首都)
4/29 ホーチミン(ベトナム)
5/02 香港(中華人民共和国)
5/03 マカオ(中華人民共和国)
5/4-5/6 海南省(中華人民共和国)
5/7-5/10 広東省(中華人民共和国)
5/11-5/13 福建省(中華人民共和国)
5/14-5/16 江西省(中華人民共和国)
5/17-5/19 浙江省(中華人民共和国)
5/20-5/21 上海(中華人民共和国)
5/22-5/24 江蘇省(中華人民共和国)
5/26-5/28 安徽省(中華人民共和国)
5/29-5/31 湖北省(中華人民共和国)
6/1-6/3 湖南省(中華人民共和国)
6/4-6/6 広西チワン族自治区(中華人民共和国)
6/7-6/9 雲南省(中華人民共和国)
6/10-6/12 貴州省(中華人民共和国)
6/13-6/14 重慶(中華人民共和国)
6/15-6/18 四川省(中華人民共和国)
6/19 エベレスト山頂(チベット)
6/21 ラサ(チベット)

6/22-6/24 青海省(中華人民共和国)
6/25-6/27 新疆ウイグル自治区
6/28-6/30 甘粛省(中華人民共和国)
7/2-7/4 寧夏回族自治区(中華人民共和国)
7/5-7/7 陝西省(中華人民共和国)
7/8-7/10 山西省(中華人民共和国)
7/11-7/13 内モンゴル自治区(中華人民共和国)
7/14-7/16 黒竜江省(中華人民共和国)
7/17-7/19 吉林省(中華人民共和国)
7/20-7/22 遼寧省(中華人民共和国)
7/23-7/26 山東省(中華人民共和国)
7/28-7/31 河南省(中華人民共和国)
8/1-8/3 河北省(中華人民共和国)
8/4-8/5 天津(中華人民共和国)
8/6-8/8 北京(中華人民共和国)



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Posted by 哲学 at 03:11│Comments(0)ニュース
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