2008年03月21日

チベット問題、中国の無茶な言い訳。

 ここ数日チベットを巡って様々な報道がなされていますがそれに対して中国のプロパガンダも激しくなっています。
 中には耳を疑うような言い訳が飛び出てきています。
 前回の記事で「チベットを衛星写真で見ると死者500人以上確認できる」とインドで発表されたことを書きました。

Satellite images show the clear atrocities carried out by the Chinese Military and police in Tibet. More than 500 Tibetan protestors are dead and more than 10,000 are injured.
(後略)
http://www.indiadaily.com/editorial/19252.asp


 それに対して、中国はこのような報道を流しました。

チベットで道路に寝るのがブーム



3月20日 14時00分

いまチベットで道路に座ってリラックスするのが大流行しているという。しかし、街中でたむろをするのではなく、国道や幹線道路などで座り込み、リラックスするのがブームなのだ。

この道路座りはどうしてブームになったのか? チベットの道路に詳しいチベット人のマッパマさん(37歳)によると、これは「おこるべくしておきた現象」とのこと。なんでも、チベットは昼と夜の気温差が激しく、昼間は20度をこす気温でありながら、夜はマイナス15度になることもあるという。それゆえ、昼間のアスファルトの道路は非常にあたたかく、チベット人たちは道路に密着して熱を感じたいのだという。

朝や夜が冷える地域に住むチベット人たちにとって、道路の熱は非常に大切なエネルギー吸収源になるわけだ。道路で座ったり寝たりできるのは、チベットの首都・ラサではあまり見かけなく、特にダァムやシガツェ方面(チョモランマ方面)に向かう道路に多いという。

道路に座りながらお茶を飲み、トランプをしたりケータイをいじるのがオツなのだとか。とにかく、自動車や馬車にひかれないようにして寝そべってほしいものだ。


 つまり

インド「衛星写真で500人以上の死者が確認できた!!」
中国「あっはっはっ、最近チベットでは道路で寝るのが流行ってて、衛星写真も死体じゃなくて道路で寝てる人達を映しただけだよ!!!」

 と言いたいのでしょうか。
 こんな酷い言い訳は初めて見ました。首都のラサではあまり見かけないと言っていますが――実はラサ以上の酷い状況が他で起きてるような気がしなくもないです。
 もしくは道路で寝るだけじゃなくて座るのもブームって書いてますけど――もしかしてそれは道路に座り込んでデモ活動してるんじゃないでしょうか
 そもそも、現在のチベットはそんな地面で寝そべってリラックス出来るほどのどかな状態ではありません。
 中国政府はラサに精鋭部隊を投入しました。(産経ニュースより)他の省からも次々と武装警察を逐次チベットへ集めています。(NHKニュースより)武装警察だけではなく、軍隊の特殊部隊などが投入され、チベットの状況は更なる悪化の一途を辿っています。戦争を始めるかのような勢いです。ただし、その相手は民間人であり、行われるのは一方的な虐殺になるだけです。
 それに対し、北朝鮮は中国に対して支持を表明しました。(産経ニュースより)
 そして、中国政府はダライ・ラマ14世に対して「あらゆる祖国分裂運動を止めろ」と声明を出しています。

ダライはあらゆる祖国分裂活動を完全に停止せよ



 外交部の秦剛報道官は20日の定例会見で、ダライ(ダライ・ラマ14世)問題について次のように述べた。

 ダライとの対話における中央政府の立場は一貫しており、かつ明確であり、これに変更はない。ダライはいわゆる「西蔵(チベット)独立」の立場を放棄し、あらゆる祖国分裂活動を徹底的に停止し、西蔵は中国の一部であり、台湾も中国の一部であることを承認しなければならない。

 ダライに対し私たちは、彼が何を言うかを聞くだけではだめだ。より重要なのは、彼が何をするかを見ることだ。最近発生した一連の事件は、事実は決して彼が口にしているようなものではないことを証明した。

 私たちはダライに、情勢を見極め、潮流に従い、きっぱりと悔い改めることを望む。もし彼が真に西蔵を気遣うのなら、自分の命がある間に西蔵人民の役に立つことを多く行うべきで、その反対をするものではない。

 ダライは単なる宗教者ではなく、祖国分裂活動に携わる政治亡命者だ。最近拉薩で発生した暴行・略奪・破壊・放火の重大な暴力犯罪は、ダライ集団の分裂本質を再度存分に暴露した。

 私たちは関係国の政府および国際社会に、ダライの分裂本質を見極め、彼およびその分裂活動にいかなる支持も提供しないことを望む。

 今回の事件はダライ集団があらかじめ計画して策動したものであり、ダライ集団はその罪の責任から逃れられない。調査の進展に伴い、関係証拠がさらに大衆に公表されるものと信じている。

 (外国メディアの報道について)比較的客観的な報道もあれば、事実と著しく異なる報道もある。私たちはメディアに、責任ある態度で、客観的事実を尊重し、報道のルールに従い、客観的で公正的な報道を行うことを望む。(編集NA)

 「人民網日本語版」 2008年03月21日
http://www.people.ne.jp/a/331777a923f4422dbd50059019cdd064


 なんともまぁ、一方的で傲慢な要求でしょうか。
 これに対し、アメリカなどもダライ・ラマ14世に下院議長が会見しに行ったり(NIKKEI NETより)と動きを見せています。
 チベット問題は今も尚現在進行形で状況が悪化しています。
 恐ろしい話です。
 チベット問題について、漫画家の小林よしのり先生の過去に描かれた漫画がアップロードされていたので紹介しておきます。

▼[小林よしのり]現在のチベット騒乱までの流れがざっと分かる漫画[ゴー宣]

 まあ、余り正規な手段ではないのですが、この回が掲載されている本は今では中古屋を探さないといけないのでこういう形で読むのも仕方ないでしょう。
 なにはともあれ、いち早いチベット問題の解決を祈るばかりです。


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Posted by 哲学 at 22:30│Comments(0)ニュース
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