2008年02月29日

毒ギョウザで迷走する中国

 中国で日本人記者が逮捕されました。

 中国製ギョーザによる中毒事件で、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は28日の記者会見で、「日本人記者が2月15日、農薬メタミドホスを購入し、持ち出そうとしたため、地元の警察に摘発された」と発表した。中国のインターネットで大反響を呼び、ギョーザ事件は「日本人の仕業」の大合唱になった。

 摘発されたのは共同通信中国総局の記者。共同通信によると、発売禁止のはずの農薬が入手可能かどうかを確認するために購入した。ギョーザ製造工場がある河北省から北京に戻る途中に検問で止められ、約3時間にわたって拘束され事情聴取を受けたという。

 同農薬は2008年1月1日から中国国内で生産、販売、使用、所持が禁止されている。共同通信の伊藤修一編集局長はこの件について「取材上の行為が中国の法律に反したことは遺憾だ」とのコメントを発表した。

 しかし、中国の一部ネットメディアは犯人が逮捕されたかのように報道した。大手ポータルサイト「捜狐ネット」は「毒が入れられたのは日本国内 日本人記者が取り調べを受ける」との見出しで、「日本人記者が農薬を日本へ持ちだそうとしたため逮捕された」と誤解を与えるような記事を掲載した。新華社ネット版も同様の記事を掲載した

 各ネット掲示板にも日本を非難する書き込みが殺到。「河北省の警察はよくやった。ついにホシを挙げた」「毒ギョーザ事件は最初から日本人の自作自演だと思っていた」「日本人記者の動機と手口を含めて、徹底した真相究明を求める」といった内容がほとんどで、中国人の多くが「事件は解決した」ときめつけている様子がうかがえる

産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080229/chn0802290050003-n1.htm


 この日本人記者が犯人かどうかも分からないのに早合点して勝手に盛り上がる中国の動きは間違っていると思います。
 しかし、問題は「同農薬(メタミドホス)は2008年1月1日から中国国内で生産、販売、使用、所持が禁止されている」となっているのに購入できたことです。
 中国では禁止されているはずの農薬が当たり前のように、海外旅行者の日本人が簡単に買えてしまう状況下にあることです。
 さらにはこんな事件が起きました。

メタミドホス載せたトラック横転 2.5トン流出
2008/02/29(金) 13:15:36更新
  有機リン系殺虫剤メタミドホス約5トンを載せ、湖北省内の高速道路を走行していた中型トラックが24日午前6時ごろ、宜城市付近で横転した。衝撃で瓶が破損し、中身のメタミドホス約2.5トンが漏れ出した。27日付で武漢晩報が伝えた。

  周囲には刺激臭が立ち込め、風下に当たる地域の住民が避難を余儀なくされた。またメタミドホス処理のため、高速道路が一時通行止めになった。防護服を着用した消防隊員約30人が現場に駆けつけ、処理に当たったところ、約7時間後に通行止めが解除された。この事故でトラックに乗っていた1人が軽いけがをした。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0229&f=national_0229_005.shtml
中国情報局NEWS


 生産・販売・所持が禁止されているはずの農薬が2.5tもトラックに積まれて流通しているという事実がこれで発覚しています。
 これは氷山の一角で、他にも闇取引されているメタミドホスは大量にあるようです。

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、商品に混入されていたメタミドホス。中国では販売も使用も禁じられているが、ギョーザ製造元の「天洋食品」がある中国・石家荘市の郊外では、農民が今もメタミドホスを使っている。安い上に殺虫効果が高いため根強い人気があり、ヤミ取引されているのだという

 工場から車で10分ほど走った同市郊外には、小麦やトウモロコシ畑が広がる。農家の40代の男性にメタミドホスがあるか尋ねると、中身が入ったメタミドホスのビン2本を見せてくれた。男性は「禁止されたのは知っているが、実は今も店で買える。1本7~8元(1元は約15円)。殺虫効果が強く、多くの農家が使っている」と明かした。

 近くの別の農家も使っていた。水で薄め、噴霧器で葉の表面に吹き付ける。この農家の女性は「数時間後には、葉に付いた虫の大部分がばたばた死ぬ。一度使えば効果は数十日持つから、ほかの農薬より便利」。

 ただ、使うのは出荷する作物だけ。「家族が食べる野菜には絶対に使わない。中毒が怖いから」

 中国農業省は07年1月から、メタミドホスを含む5種類の毒性が高い有機リン系農薬の使用と販売を禁止した。「実験などに使われる以外に流通はない」(国家品質監督検査検疫総局幹部)

(後略)

http://www.asahi.com/international/update/0215/TKY200802150137.html
asahi.com


 中国では今でもメタミドホスで野菜を作り、売っている。でも、そんなの危険なのに決まってるから自分たちは食べない。それが当たり前の風潮。それに対し、日本では手に入れるのは非常に困難です。
 これらの事実を並べると、やはり、メタミドホスが中国で混入された可能性は高いと言わざるを得ないでしょう。
 ちなみにこの事件で、ドイツで『中国製のタイヤはすべりやすい』と言う審査を受けたのが同時に実証されてしまいましたね
 つくづく中国製品・食品の安全性には疑問を持たざるを得ないでしょう。
 中国の政府役人が入院患者にビスケットをプレゼントしたけど、全部賞味期限が切れてて虫が入っていたなんて事件もありました

 哲学さんは中国が嫌いという訳ではありません。むしろ、過去に積み上げてきた文化や歴史はとても尊敬してます。三国志や儒教など高い文化があの地で育まれてきました。
 が、少なくとも現在、中国食品中国や製品が安全かと言われると、そこはやはり疑問を持たざるを得ないでしょう。非常に残念な話です。

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Posted by 哲学 at 17:36│Comments(0)ニュース
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