2008年11月02日

ダライ・ラマ14世 「中国政府への信頼なくなりつつある」

 ダライ・ラマ14世猊下は現在日本に来ておられますが、記者会見で中国に対する不快感を露わにしたようです。

ダライ・ラマ:「中国政府への信頼なくなりつつある」


 来日中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世(73)は2日、東京都中央区で毎日新聞などのインタビューに応じ「中国政府への信頼はなくなりつつある」と語り、不信感をあらわにした。中国との対話を今後も続けるかについては言及を避け、17日からインド北部ダラムサラで開く亡命チベット人代表による会議で議論する意向を示した。

 ダライ・ラマは、3月のチベット暴動後も中国政府による僧侶の逮捕や暴力が続いていることを指摘。中国政府は「自由がなく、腐敗した共産主義だ」と非難した。

 チベットの自治を巡っては現在、北京でダライ・ラマの特使と中国政府との対話が行われているが、大きな進展は期待できない。対話継続の是非を巡り、亡命チベット人による議論が始まることをふまえ「私は中立の立場だ」と語った。

 自身の後継者については「チベットの民衆が決めることで、私はかかわらない」とだけ述べた。【鵜塚健】

 【略歴】ダライ・ラマ14世 1935年7月、チベット北東部(現中国青海省)生まれ。本名はテンジン・ギャツォ。40年、13世の生まれ変わりの活仏として14世に即位。59年3月のチベット動乱でインドに亡命、同国北部ダラムサラに亡命政権を樹立した。89年にノーベル平和賞を受賞した。

 ◇ダライ・ラマ14世とのインタビューの要旨◇



 私がいつも強調するのは、愛と慈悲の大切さ、宗教間の相互調和だ。暴力や紛争が絶えない今、それが平和へのメッセージになる。

 3月の危機(チベット暴動)以降、中国政府に期待したが、現実は違った。チベット人は「死刑宣告」を受けたと同じだ。中国政府はウイグル人やチベット人などの少数派に対して耳を傾けず、武力で臨む。中国政府は「チベット問題は存在せず、問題はダライ・ラマにある」とし、私を分離主義者、扇動する政治家だと呼ぶ。私は中国人民を信頼するが、中国政府への信頼はなくなりつつある。

 17日から亡命チベット人代表が集まりダラムサラで会議があり、月末にはニューデリーで国際支援会議が開かれるが、私は中立の立場だ。

 チベットの文化や伝統を守ることはチベット人のためだけでなく、中国の立て直しにも役立つ。現在の中国は自由がなく、法治国家といえない。腐敗して汚れた共産主義だ。かつてチャーチル元英首相が(東西冷戦を象徴する)「鉄のカーテン」という言葉を使ったが、人の話を聞かない中国政府は「心のカーテン」を引いている。【鵜塚健】

毎日.JP


 心のカーテンとはよく言ったものです。
 ダライ・ラマ14世の再三の話し合いの呼びかけに応じたモノの、中国は一方的に自分の要求を突きつけるだけでチベット側の言い分は一切聞かないという酷い現状。さすがのダライ・ラマ14世も中国に対しての不信感を露わにせざるを得ません。
 これまでは「弱いメッセージ」で間接的に中国を批判してきたダライ・ラマ14世がここに来て強いメッセージを発し始めているのは中国に対するチベット側の戦略がかわってきたのかもしれません。日本では相変わらずそれほど大きく取り上げられていませんが。
 なにかまた、チベット周りで起きそうな気がします。


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Posted by 哲学 at 22:28│Comments(0)ニュース
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