2008年07月24日

政治ショーな6カ国非公式外相会合

 6カ国非公式外相会合は結局ほとんど空振りだったようです。

クローズアップ2008:6カ国非公式外相会合 「政治ショー」色濃く


 ◇したたか北朝鮮 テロ指定、時間切れ解除狙う

 北朝鮮の核開発をめぐって23日に初めて開かれた6カ国外相の非公式会合は、実質的な中身を伴わない「政治ショー」で終わった。北朝鮮の核申告に対する検証方法が焦点だったが、先の首席代表会合の追認にとどまり、北朝鮮にとっては6カ国協議の進展を政治的にアピールし、テロ支援国家の指定解除の環境を整える効果があった。とりわけ日米韓3カ国は竹島問題や牛肉問題で十分に結束できず、北朝鮮を追い込めなかった。【シンガポール堀山明子、鵜塚健】

 「行動対行動の原則に沿って、各国は相応(見返り)措置を履行すべきだ」

 北朝鮮の政府当局者は外相会合終了後、中国の楊潔〓(ようけつち)外相が会談内容を発表したばかりの会見場に予告なしに現れ、朴宜春(パクウィチュン)外相の会合での発言内容を説明した。
米国のテロ支援国家指定解除実現や各国のエネルギー支援の着実な履行を念押ししたものだ。一方、ライス国務長官ら米代表団は硬い表情で、記者を避けるように足早に会場を後にし、攻めの姿勢を見せる北朝鮮とは対照的だった。

 外相会合では、北朝鮮の核計画申告を受けて、米国が提示した検証計画の草案への回答が期待された。12日まで北京で開かれた首席代表会合では、核関連施設の立ち入り▽技術者からの聞き取り▽文書の検討--の3原則で合意したが、対象施設や具体的な方法は決まっていない。

 「北朝鮮は、米国が時間切れで(8月11日発効予定の)テロ支援国家指定解除をせざるを得ない状況に持ち込もうとしている」。ある参加国の政府当局者は、北朝鮮ペースで不完全なまま進む核廃棄プロセスへの懸念を示す。指定解除発効までに検証作業が始まらなければ、北朝鮮の協力姿勢が一層、後退する可能性が強いためだ。

 協議筋によると、シンガポールでの非公式会合は北朝鮮が積極的に提案したという。今月中旬の首席代表会合では、8月8日の北京五輪開会前後に北京で開催する案も出ていた中での逆提案だった。

 北朝鮮がこの時期に外相会合を主張した背景には、米国の検証計画草案を受け入れたくない事情があるとみられる。テロ支援国家指定解除への影響を最小限にとどめるため、検証方法をめぐる議論が行き詰まる前に外相会合を開き、6カ国協議の進展を政治的にアピールすることで「検証に非協力的」という批判を封じ込めたい狙いがあったようだ。

 北朝鮮は24日にはシンガポールで、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化を図る友好協力条約に調印する予定。外相会合への出席と合わせ、テロ支援国家指定解除への手応えを自信に、国際社会への関与強化の姿勢を強めている。

 一方、守勢に立つ米国のヒル国務次官補は日米韓の首席代表会合を提案、北朝鮮に検証計画の受け入れを求める3カ国の連携姿勢をアピールしようとした。

 だが、竹島問題で日韓関係が悪化し、日米韓首席代表会合は不発に終わった。日韓の足並みの乱れは、各国の分断を望む北朝鮮への追い風となった。

 03年8月の6カ国協議開始以来、初めて開かれた外相会合は、将来的には北東アジアの安全保障の枠組みへ発展する可能性を秘めている。しかし、今回の会合は「初めて」という部分だけが強調された空虚な「政治ショー」の色合いが濃いものとなった。
 ◇拉致再調査、空文化の恐れも

 6カ国外相会合の場をとらえて高村正彦外相が北朝鮮の朴宜春(パクウィチュン)外相と接触を図ったのは、6月の日朝公式実務者協議で拉致問題の再調査などで合意したものの、具体化のめどが立たない状況を何とか動かしたい日本側の苦境の表れだ。

 接触は外相会合終了後、左隣に座っていた朴外相に高村外相が声をかける形だったが、朴外相からは素っ気ない一言しか返ってこなかった。

 6月に拉致問題の再調査を約束した北朝鮮に対し、日本は制裁の一部解除を表明した。これは、米国のテロ支援国家指定解除が迫ったのを見越し、「置き去り」になりかねない拉致問題を日朝2国間で打開する糸口を作るためだった。しかし、合意発表後、北朝鮮からは再調査の行動はおろか、実務者協議再開の提案さえもない。

 今回、朴外相には実務者協議担当者の宋日昊(ソンイルホ)国交正常化交渉担当大使も同行しなかった。形ばかりの外相同士の接触で、再調査合意の実質的な前進が期待できる可能性はほとんどなかった。

 それでも高村外相が接触を求めたのは、国内外に「6月の合意は事実上空文化している」との見方が広がっているのに対し、日朝の話し合いの流れは続いており、まだ合意実行の可能性はあるとアピールする必要があったからだ。

 だが、あいさつ止まりの短い接触は、むしろ北朝鮮のよそよそしさを印象づけた。23日の日米外相会談で、ライス国務長官から「日朝間では全く何も起こっていないのか」と念押しされ、高村外相は「実際何も起こっていない」と答えざるを得なかった。

 米国の支援で実現した合意は日本自身の力で実行させなければならないが、現状は手詰まり状態だ。
 ◇「安保機構」議論に意味--小此木政夫・慶応大教授(現代韓国朝鮮論)の話

 北東アジアの安全保障機構創設に向けた議論が、6カ国外相会合で始まることには意味がある。現時点では安保機構の具体像は見えていないが、核兵器の廃棄など第3段階措置の議論と並行して安全保障の議論を進めることになるだろう。北朝鮮は、体制の生き残りが確保されると考えるまで核兵器の放棄はしない。安保機構の構築は、核放棄に向けた道のりの第一歩と言える。
 ◇失望感が漂った会合--宮本悟・日本国際問題研究所研究員(北朝鮮安保政策論)の話

 核計画申告検証に対する根拠のない期待が高かっただけに、今回の外相会合は失望感が漂うものとなった。サッカーに例えると北朝鮮と米国の対戦を中国が審判している状態で、日本など他の3カ国は影響力も得るものも少ないと認識すべきだ。ただ、米国によるテロ支援国家指定解除は、北朝鮮の経済的な実利を伴わず、期待するほど成果を生むカードにはならない。

毎日新聞 2008年7月24日 東京朝刊


 結局今回の話し合いでは、新しい進展はなく、北朝鮮は他の国の要求を受け入れるかどうかは答えないけれど、「他の国はちゃんと約束した経済支援をしろ」と駄々をこねている状況です。自分は約束を守っていないのになんという言いぐさでしょう。
 拉致問題を再調査する、と北朝鮮が言ったので経済制裁を一部解除したらその後、なんの音沙汰なし。本当にこれじゃ北朝鮮の言うことを周りの国が聞いているだけ見たいになっています。
 もっと強気の姿勢で問題解決に乗り出して欲しいと思います。

タグ :国際北朝鮮


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