2008年07月11日

フランスと中国の微妙な駆け引き

 五輪開幕でなんとか中国との関係修復を図るフランスですが、ダライ・ラマ14世のフランス訪問を巡って争っているようです。

サルコジ仏大統領 ダライ・ラマめぐり中国と摩擦


2008.7.10 21:02

 【パリ=山口昌子】フランスと中国の関係が緊張している。サルコジ仏大統領は北京五輪開会式への出席を正式に表明、パリでの聖火リレーの混乱から悪化した中国との関係修復に努めたが、中国は、8月中旬に訪仏するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世とサルコジ大統領が会談するなら、「重大な結果」を引き起こすと警告したことから、大統領は窮地に立たされている。

 仏外務省は9日夜の声明で、クシュネル外相が中国の孔泉駐仏大使を外務省に呼んで、中国の圧力を「拒絶する」と通告し、大使も「無条件で」大統領の開会式出席を了承したと発表した。ところが大使はその後、記者団に対し、中国は大統領とダライ・ラマの会談には「強硬に反対する」と言明。中国がフランスと結んでいる約100機のエアバスや高速列車TGVの車両約50両の購入契約を破棄することを示唆した。

 エリゼ宮(仏大統領府)筋によると、大統領は主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の合間の胡錦濤中国国家主席との会談で、開会式出席は表明したが、ダライ・ラマとの会談の可能性などには言及していないという。

 ただ、4月にパリでの聖火リレーが混乱し、仏国内で中国への反感とチベットへの同情が吹き出した際、シャテル政府報道官は「会談」の可能性を排除しなかった。5日発行のルモンド紙も、「エリゼ宮以外での会談」を示唆するなど会談の可能性が高まっていた。


 中国にとってダライ・ラマはチベットの分離・独立を主張する「分離主義の精神的指導者」。その指導者と大統領が会談すれば「内政干渉」ということになるが、フランスにとっても中国からの警告で会談を回避すれば外交の「独立」(クシュネル外相)が損なわれることになる。

 一方、仏国内では大統領の北京五輪開会式出席には国民の3分の2が反対し、大統領とダライ・ラマとの「会談」については9日夜発表の民放テレビLCIの世論調査では90%が望んでいる。

 欧州連合(EU)の主要国ではメルケル独首相とブラウン英首相が開会式欠席を表明(ブラウン首相は閉会式には出席)しており、低支持率に悩む大統領としては国益や人権国家フランスのメンツなどさまざまな要素を背景に判断に苦しむところだ。

産経ニュース


 昨日の記事と併せて考えてみると色々と思う所があります。
 政治の世界は単純に白黒ではっきりと分かるものではなく、様々な要因が絡んでくる話です。特に民主主義の国は国民の感情も大事にしないといけません。
 国としては中国との関係は大事にしないといけませんが、倫理的に見て見過ごせない点もあります。 果たしてフランスがここからどう対応するのか――注目です。


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