2008年05月16日

四川地震で日本に感謝?

 四川省の大地震で日本の救助隊が派遣されたことにより、中国のネットで親日感情が高まっているようです。

「反日」消えた? 救援隊派遣でネットに「謝謝」の嵐


 信じられない事態だ。犠牲者が5万人にのぼる恐れもある中国四川大地震で、外国として初めて日本の国際緊急援助隊が被災地入りしたが、中国のネットが「ありがとう、日本!」の書き込みであふれたのだ。チベット問題での国際的孤立から日本重視に移りたい政府。アニメなど日本文化の大量流入で「親日」の土壌があった民衆。だが、お互いにそれを表明することは「売国奴」を意味し、最大のタブーだったそれが未曾有の震災によって「反日」の壁が崩れ、歴史が動いた。

 ≪私は日本人が嫌いだった。かつて無数の中国人を殺した。でもそれは前の世代のこと。援助隊は人数こそ少ないが私はとても感謝したい。中日の永遠の友好関係に発展することを望む。日本の友よ、ありがとう≫。中国のニュースサイトへの書き込みだ。

 東京消防庁ハイパーレスキュー隊や海上保安庁特殊救難隊で構成された援助隊は16日未明に空路、四川省成都に入り、午前のうちに北に400キロの被害が激しい青川県に入った。「雨が降って水分があるので、生存者がいると信じている。地獄の状況だと覚悟している。1人でも多く救いたい」と隊員は語った。

 72時間という生死を分ける目安の時間を超えての投入となるが、ハイパー隊は3年半前の新潟中越地震でがけ崩れ現場から皆川優太君=当時(2)=を地震発生から93時間ぶりに助け出した実績があるだけに中国側の期待も高い。

 中国メディアは援助隊到着前から「阪神大震災などで豊富な経験があり、世界最先端の機器を携えやってくる」と大々的に報道。≪ただ、ただ、感謝している ≫≪なんでもっと早く呼ばなかった。彼らの経験はすごい≫≪ずっと日本に偏見があったが、日本人はいい人だ≫とネットの書き込みが相次いだ。

 騒ぎには予兆があった。地震直後から中国人の間で「なんで経験豊富な日本の部隊に派遣を要請しないんだ」という声が出た。日本が5億円の支援を表明すると「もう歴史なんて言い出すべきじゃない」「未来志向だ」との意見まで出た。

 政府は胡錦濤主席の訪日前後からチベット問題での日本人の好意的な声を大きく報道させるなど、友好ムードを醸成しようとしてきたが、ジャーナリストの富坂聰氏は「政府の支援要請前に民衆側からここまで思い切った意見が出るとは驚いた。こんなこと言っても大丈夫かと思った。政府にとっては嬉しい誤算では」と話す。靖国問題やガス田開発問題があり、対処を間違ったら国民から売国奴扱いされかねなかったからだ。

 国民側も同じ。20、30代の大半は海賊版の日本アニメを見たり、ゲームをして育ち、日本に憧れを持つ者が少なくなかったが、親日的なことをにおわすと袋叩きにされた。特に震災地域は日中戦争で重慶爆撃を経験、最も反日感情が強い地域とされ、日の丸部隊の活躍は想像外だった。軍が救助活動を主導しており、援助隊受け入れには軍部が難色を示していたともいう。

 それが一気に受け入れに動いたのは道路の復旧さえ進められないほどの救助活動での軍の失態で、現地で指揮する温家宝首相は「民に養われていることを分かっているのか!」と軍幹部を面罵したという。

 今回の動きは国民意識を固めるため、戦後60年以上、共産党政権が堅持してきた「反日」放棄の兆しをうかがわせており、富坂氏は「これをどう発展させるかは、日本側にかかっている」と指摘している。

ZAKZAK


 これまで中国は国の政策として「親日的な態度をとる人間は売国奴だ」という方針があり、内心親日感情があったとしても、それを公の場では言えないといった風潮がありましたが、今回でそれが取り払われた――と言うふうに見られています。
 なんにしても、日本の救助隊が期待されることはいいことだと思います。
 中国はもう、救助を諦めて、生き埋めがいるかも知れない小学校に消毒を散布したりしているそうですから。

四川大地震:救出打ち切られ、親が手で…都江堰の中学校


 【都江堰(とこうえん)(中国四川省)武本光政、浦松丈二】15日、生徒約900人が生き埋めになったとされる都江堰市の聚源(じゅげん)中学校では、朝になっても救出作業は始まらなかった。「子供を置き去りにできない」。地震発生から「72時間」が経過した午後も、生徒の親たちは手作業で懸命にコンクリート片を取り除いた。

 午前8時。地元住民や遺族ら約50人が学校の前にいた。倒壊したのは築20年以上の鉄筋コンクリートの校舎。直径約1センチの鉄筋がぐにゃりと曲がっていた。「建築がしっかりしてない。腐敗した人間が、こんなのを造っている。責任者は遺族に謝罪すべきだ」。男性(40)は訴えた。

 聚源中は生徒数約1700人。地震発生時は18学級の約1000人が授業を受けており、9割が生き埋めになったとみられる。「世界でたった一人の、かわいい子だったのに……」。2日前に遺体で見つかった王林君(15)の母親(36)は、この日も現場で泣いていた。「まだ、ここを離れられないの……」

 午前9時過ぎ。成都市の疫病コントロールセンターの白いワゴン車が到着。遺体が多数埋まっている場合、感染症が発生するおそれがあり、白衣を着た職員が校舎のがれきに向かってホースで消毒液の散布を始めた。

 午前11時過ぎ、死者を弔う爆竹が鳴った。赤いろうそくが2本供えられていた。生徒の親ら数人が、手作業でがれきを掘り返し始めた。「建物から離れなさい」。警察官の指示で、がれきの前からいったん人が消えた。午後2時28分。発生から72時間が経過した。直前に医師や看護師が姿を見せたが、早々に立ち去ってしまった。

 「1、2、3!」。午後3時半、男性数人が再びがれきの撤去作業を始めた。現場に散乱する金属製のタライにコンクリート片を入れ、バケツリレーのようにして運び出す。時間とともに人が増え、夕方には20人近くになった。ほとんどの人は素手のまま。男性の指には血がにじんでいた。

 「何の説明もなく救出を打ち切るなんて許せない」。解秀英さん(38)は涙ながらに憤った。「スポーツが得意な子だった」。がれきの下にいるかもしれない2年生の息子、巴飛君(15)を丸3日、思い続けている。近くでは、授業を休んでいて難を逃れた李力君(16)ら3年1組の4人が死者に贈る紙銭を燃やしていた。

毎日新聞 2008年5月15日 23時15分(最終更新 5月15日 23時33分)



 72時間が経過したこともあり、政府は諦めの色が強いですが、日本の救助隊が一人でも多くの人を救助できることを祈るばかりです。


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Posted by 哲学 at 21:52│Comments(0)ニュース
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