2008年04月28日

振り返られる長野聖火リレー

 長野聖火リレーは終わりましたが、その警備の在り方や聖火ランナーについて改めて色んな声があがっています。
 まず、警備の最高責任者である警察庁長官は以下のように述べています。

「聖火リレー警備は満点」 警察庁長官


 主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)警備状況視察のため北海道を訪れている吉村博人警察庁長官は28日、札幌市の北海道警本部で開かれた「北海道洞爺湖サミット警備特別派遣部隊長会議」で訓示し、「26日の聖火リレーでは、長野県警がほぼ満点の警備をしてくれた。時間が限られている中で、警備方針を検討した。改めて、応援頂いた警視庁はじめ、各県警にお礼を言いたい」と述べ、今回の警備が成功したとの評価を示した。

 会議には、7月のサミットで警備に当たる、全国都道府県警の部隊指揮官ら約200人が出席。吉村長官は「サミット警備は日本警察の力量が世界に問われる機会だ」と指摘。国際テロと反グローバリズム勢力の違法行為が予想されることと、中国なども交えたアウトリーチ(拡大)会合の開催でこれまでとは異なる厳しい情勢下で行われるとの認識を強調した。

 そのうえで、部隊練度の向上と士気の高揚、規律の保持を強く訴えた。

産経ニュース


 100点満点の警備。
 しかし、果たしてそうだったのでしょうか。ジャーナリストの勝谷雅彦さんなどはこんな事を言っています。

「長野聖火」の逮捕者「実像」  伝えない日本メディアに勝谷苦言


勝谷誠彦の「スッキリタイムズ」は、産経新聞の大阪にだけ載ったという記事を紹介した。4月26日の長野での聖火リレーで、福原愛ちゃんの前に飛び出した男性、各社の報道では台湾籍の男性とだけ伝えられたが、実は亡命チベット人だった。

タシィ・ツゥリンという38歳。「日本のメディアは、よく取材しなかったのか遠慮したのか」と勝谷はいう。

同紙によると、1959年に中国がチベットを併合した際、父が死刑の判決を受け、処刑の前日に脱走してインドに亡命した。この男性はそこで生まれ、現在は台湾に在住。

勝谷は「彼は聖火を妨害しようとしたわけじゃなくて、チベットの国旗をカメラに向けたかっただけ。捕まったのはしょうがないが、どういういわれかを伝えておきます」と。

聖火リレーについては、各地のメディアの報道ぶりなどを別に伝えたが、映像は騒ぎのシーンばかりだ。

テリー伊藤は「ランナー、チベット、中国、全てが傷ついて哀れだった。欽ちゃんだってまきこまれちゃった。チベットの人たちだって暴徒としてしか紹介されない。つらいですよね」

「中国の人たちだって、間違った愛国心のなかで旗を立ててどなっていると、世界中がひいていく。それに気づかない哀れさみたいなものを感ずる」という。

加藤浩次は、「とりあえずランナーにはけが人もなかったし、成功だったという雰囲気だが、どうなんですか」というのに、勝谷はこのチベット人男性のことをとりあげ、「ニューヨーク・ポストに載ったことは大きい」といっていた。

さらに「何かあったときに、東京都心が赤い旗で埋められる可能性があることがわかった。そして、かなりの日本人が中国人に暴行を受けているんだが、日本の警察は一切中国人を逮捕しなかったとも。

あの赤旗はたしかに不気味だった。

J castテレビウォッチ


 二日前にも書きましたが、福原愛選手が走ってる時に飛び込んだ男性は台湾国籍のチベット人2世です。彼は決して聖火を奪おうとしたのではなく、テレビにチベット国旗を映そうとしただけなのです。詳しくはこちらの産経ニュースで読めます。しかし、メディアは「彼は何か黄色い布を持ってますね」とだけ言って彼がチベット国旗を持っていることを口では報道しませんでした。
 そして、上記の通り、中国人に日本人が暴行されても、中国人を逮捕したりしなかったそうです。
 前述の台湾国籍のチベット人2世の男性はメディアの問題なので置いておくとしても、果たして100点満点の警備だったと言えるのでしょうか。

 また、聖火ランナーについて、ビートたけしさんがこのようなことを言っています。

北京五輪の聖火リレーで萩本欽一さんに何か投げ付けられたってね。
オイラは「聖火持って逃げろ」とか言ってたんだけど。
あの人は何でやんないかな?バカだな~

オレだったら絶対、火を消したり間違って水の中に落っこちたり、
ギャグしか考えないけどな。何かやれよほんとに(笑い)。お笑いなんだから。
この人おかしいよ。お笑いのくせに、愛と涙ばっかりしやがって。
インチキくせえことばっかり。お笑いなのに何にもギャグやんないんだから。

この人チャップリンに憧れててさ、「愛と感動の」なんて言うんだったら、
今回の聖火ランナーになるのはおかしいよな? チベットの人権問題を考えれば。

例えばジャージをパッと脱いだらその下に「チベットを救え!」とか書いておくとか、
そういうパフォーマンスでもしてくれないとちっとも面白くねぇし。

大体お笑いなんて反逆的なことじゃない? 国に媚びるような芸人なんて面白くない。
そういうのは星野仙一さんに任せておけばいいんだよ。

それにこの聖火リレーって障害を持った人が走るとか「お涙ちょうだい」みたいなこともやってるじゃん?
でも今回はその前にチベットだと思うよ。まあ今度マカオのカジノに行くんで、
中国の悪口ばっか言ってると追い出されるのが怖いからこの辺でやめとこうか?

あと善光寺も辞退したんだよな。別に火をつけられるわけじゃないのに。どうせなら牛に引かせりゃよかった(笑い)。
「牛に引かれて善光寺参り」と言うしさ。牛の角に聖火2つ付けて暴走させたら一番笑うけどね。
そしたら乱入男なんて言っても、牛を相手じゃ誰も止められないって。邪魔するヤツは誰もいなくなって
「日本らしい」ってなるんじゃない?

まあオリンピックなんて「世界の人の祭典だ」なんて言うけど結局は経済に決まってんじゃん。
赤字出してまではやろうとは思ってないし。
「ひともうけしよう」とたくらんでるだけなんだから、きれいごと言ったってしょうがないって。
でも今回は本番前にこんなに荒れたんじゃ、オリンピックなんてやめた方がいいよ。
(終)
【4月29日付、東京スポーツ掲載】
ビートたけしメッタ斬りコラム「たけしメッタ斬り!欽ちゃん芸人失格」より


 ビートたけしさんの言うことはまさにその通りだと思います。このチベット問題に関しても冷静に捉え、端的に問題点やどうすべきであったかを述べていると思います。
 また、同じ芸人として、個人的に好きな江頭2:50さんも長野に行っていたそうです。

106名無しさん@八周年2008/04/28(月) 20:12:28 LOx1wXgI0P


もうこれも、テンプレ扱いにしてw
エガちゃんネ申!

振り返られる長野聖火リレー

先ほどのニッポン放送にて↓の状況のエガちゃんによる説明
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3118840

ランナーが見えた瞬間にドリアンをバンって出したら私服の警官がダーッと来て
警官「なんだそれはあーーーー!」
江頭「ドリアンです」
警官「え、ドリアン?(一瞬引き下がる)…で、それをどうするつもりだ!」
江頭「聖火ランナーに後で食わせようと思って、はい」(と差し出す)
警官「くさっっ!」(と怖い人から人間に戻る)
警官「絶対投げるなよ、エガちゃん、俺は芸風は好きだから…」

(ランナーが来た瞬間)
江頭「ドリアーーン!ドリアン食ってええええ!すっごい美味しいドリアン食ってえええええ!」
周囲爆笑とともに「くさっ」「くさっ」「くさっ」「くさっ」「くさっ」

終了後ランナーには会えなかったので長野市民にあげようとするも
周囲「いや、エガちゃん、エガちゃんのことは好きだけど、これは要らないよ~」

だが何個も持ってきたので、これは善光寺に供物として
納めようとその場で思いつく。 そしてこの写真に繋がると
振り返られる長野聖火リレー
2ちゃんねるのとあるスレより


 彼は番組の企画でもないのに何かあったら個人で体当たりで現場に行って何かをしようとします。こう言う所は実に芸人として評価できると思います。まあ、これが平和のためだったかと言われると、別にそう言う訳ではないと思いますが。でも、萩本欽一さんよりよっぽど「お笑い芸人」ではあったと思います。

 さて、結局今の聖火がどうなっているかというと、平壌を無事終了したようです。

平壌で初の聖火リレー整然と終了


 北京五輪の聖火リレーが28日、北朝鮮の平壌で行われた。中国のチベット暴動鎮圧を発端に世界各地で混乱が続く中、緊密な中朝関係を反映し友好ムード一色で、例外的に混乱なく整然と終了した。北朝鮮での五輪聖火リレーは初めて。

 同日午前、平壌市内の主体思想塔広場で出発式が行われ、北朝鮮NO・2の金永南最高人民会議常任委員長が出席、第1走者でサッカーの元北朝鮮代表、朴斗翼氏(71)に聖火を手渡し、リレー開始。金日成競技場前にゴールした最終走者の1999年陸上世界選手権マラソン女子金メダリスト、チョン・ソンオクさんまで80人が約20キロのコースで聖火をつないだ。

 出発式では朝鮮オリンピック委員会の朴学先委員長(体育指導委員会委員長)が「一部不純勢力が中国の五輪開催に反対し聖火リレーを妨害しているが、五輪運動の理念に反するとの原則的立場を表明する」と中国への全面的支持をあらためて表明した。

 中国の劉暁明駐北朝鮮大使も聖火ランナーとして朝鮮戦争での中国義勇軍参戦を記念する「友誼塔」に立ち寄るなど緊密な中朝関係を強調。沿道では動員された平壌市民や中国人留学生ら数十万人が統制の取れた応援で華やかな友好ムードを醸し出した。

 妨害や抗議行動が想定されないことから、長野市やソウルで目立った警備関係者の姿はなく、青と白のジャージー姿の中国人スタッフ6人だけが伴走した。

 聖火は28日未明にチャーター機で韓国から平壌国際空港に到着。同日夜、同空港から中国国際航空のチャーター機でベトナムのホーチミンに向かう。

[2008年4月28日22時42分]

nikkansports.com


 まあ、独裁政権下の北朝鮮では暴動なんて起きるはずもなく、今までで一番平和な聖火リレーだったそうです。
 しかし、そうどうが起きなかったとしても、これはこれであまり平和なイメージを受けないというのがなんともはや……。
 なにはともあれ、聖火リレーは続いていきます。

今後の聖火リレーのルート
4/29 ホーチミン(ベトナム)
5/02 香港(中華人民共和国)
5/03 マカオ(中華人民共和国)
5/4-5/6 海南省(中華人民共和国)
5/7-5/10 広東省(中華人民共和国)
5/11-5/13 福建省(中華人民共和国)
5/14-5/16 江西省(中華人民共和国)
5/17-5/19 浙江省(中華人民共和国)
5/20-5/21 上海(中華人民共和国)
5/22-5/24 江蘇省(中華人民共和国)
5/26-5/28 安徽省(中華人民共和国)
5/29-5/31 湖北省(中華人民共和国)
6/1-6/3 湖南省(中華人民共和国)
6/4-6/6 広西チワン族自治区(中華人民共和国)
6/7-6/9 雲南省(中華人民共和国)
6/10-6/12 貴州省(中華人民共和国)
6/13-6/14 重慶(中華人民共和国)
6/15-6/18 四川省(中華人民共和国)
6/19 エベレスト山頂(チベット)
6/21 ラサ(チベット)

6/22-6/24 青海省(中華人民共和国)
6/25-6/27 新疆ウイグル自治区
6/28-6/30 甘粛省(中華人民共和国)
7/2-7/4 寧夏回族自治区(中華人民共和国)
7/5-7/7 陝西省(中華人民共和国)
7/8-7/10 山西省(中華人民共和国)
7/11-7/13 内モンゴル自治区(中華人民共和国)
7/14-7/16 黒竜江省(中華人民共和国)
7/17-7/19 吉林省(中華人民共和国)
7/20-7/22 遼寧省(中華人民共和国)
7/23-7/26 山東省(中華人民共和国)
7/28-7/31 河南省(中華人民共和国)
8/1-8/3 河北省(中華人民共和国)
8/4-8/5 天津(中華人民共和国)
8/6-8/8 北京(中華人民共和国)



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Posted by 哲学 at 23:30│Comments(0)ニュース
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