2008年04月05日

『ネット規制法案』関連ニュース

 昨日紹介した『ネット規制法案』についてですが、昨日の一日でマスコミからも色々な情報が流れるようになりました。
 簡単にまとめたいと思います。

○ネット規制にばく進する自民党 「有害情報」を流せば懲役刑も
http://diamond.jp/series/machida/10023/
(DIAMOND ONLINE)

 長い記事なので気になった点を抜粋します。

 自民党の内閣部会(松村龍二部会長)と青少年特別委員会(高市早苗委員長)は先月後半、合同部会を開いて、18歳未満の青少年がインターネットでセックスや暴力などの有害情報にアクセスするのを防ぐ「有害情報の規制」法案をとりまとめた。

 そのポイントは、(1)内閣府に設ける青少年健全育成推進委員会に「有害情報」を判定する権限を与え、(2)有害情報の排除のため、同委員会や総務大臣、経済産業大臣に、インターネットサービスプロバイダーやサイト管理者に対する立ち入り検査や、削除命令を出す権限を付与、(3)命令違反者には、 1年以下の懲役刑や100万円以下の罰金といった刑事罰を課す―ことなどである。
(中略)

 しかし、この法案を冷静に検証すると、青少年向け有害情報と判断される情報が書き込まれた場合、その書き込みが削除されたり、サイトそのものが閉鎖されることになり、成人もその情報を閲覧できなくなる可能性が強い。つまり、憲法で保障された「国民の知る権利」が阻害されるリスクが存在するのだ。また、端から、こうした規制の網にかかりたくないからと自粛ムードが広がり、やはり憲法が保障する「表現の自由」が損なわれる懸念もある。

 さらに言えば、フィルタリングや会員制サイトを増やしても、青少年が成人を装って、アクセスする可能性が残り、法の実効性が高いとは考えられない。

 インターネットの世界は国境の無い世界だ。国内と海外で著しく異なる規制を課すことになれば、国内のインターネットプロバイダーが海外へ拠点を移し、国内のネット産業が空洞化する可能性もある。

 ちなみに、大学や研究機関による「草の根」的なネットワークの連結・拡大が、国境をまたぐ今日の壮大なインターネット通信網を育んできたことは、以前にも本コラムで指摘した通り。その中で、言論や表現の自由も、自然発生的に保証されてきた歴史がある。

 経済失政を繰り返し、株式市場での大幅安が「官制暴落」と、その経済政策が揶揄されている福田政権下で、与党が言論統制に繋がりかねないインターネット関連規制を持ち出してきたのは、単なる偶然のできごとなのだろうか。それとも、何か、もっと大きな政治的野心があるのだろうか。疑われたくなければ、与党は、即座に拙速な法案を焼き捨てて、間違えであったと自ら表明するべきではないだろうか。

ネット規制にばく進する自民党 「有害情報」を流せば懲役刑も
http://diamond.jp/series/machida/10023/
(DIAMOND ONLINE)


 ここでは逆らうものに対しての罰則が具体的に書かれていますね。
 『命令違反者には、 1年以下の懲役刑や100万円以下の罰金』です。著作権法に比べれば軽いですが、それでもおかしい事ですね。


○日本のインターネット産業に大きな節目?--自民と民主が重要法案を準備
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20370849,00.htm
(CNET Japan)

 こちらは今までと同じような内容なので特に抜粋しません。関連情報に全て眼を通したいという方はチェックするといいでしょう。

○自民党「有害ネット対策」 高市早苗議員に聞く
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080402/22989
(オーマイニュース)

 これは渦中の人物である、ネット規制法案の提案者である高市議員の直接インタビューです。
 それまでネットの情報だけで具体的なことが分からなかった慎重派の人達は是非こちらの記事を読むといいでしょう。
 特に、分かりやすい図があるので是非参照してもらいたいです。

 前回の記事では、この「青少年有害情報」指定をされた場合、反論出来ない、と書きましたが、どうやら調停機関を別に設けるようです。

 これらの制度のなかで、たとえば自社サイトが青少年有害情報に定義されて、異議申し立てをしたい場合がある。その場合は、新設される「指定青少年有害情報紛争処理機関」が担うことになる。同機関は、主務大臣等が社団法人や財団法人の中から指定する。

 「今想定しているのは、インターネット・ホットラインセンターやインターネット協会です。ただし、莫大な量の情報を監視はできないし、常時監視する義務は負っていません。監視することはコストがかかりますから。そのため、条文のあちこちに、『知ったときは』という文言を入れました。私が期待しているのはこの調整機関です。ノウハウのある業界団体があるので、ぜひ加わっていただきたい」

自民党「有害ネット対策」 高市早苗議員に聞く
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080402/22989
(オーマイニュース)より


 調停機関を設置して、対処するとのことですが……見る限りは、インターネットなんて常時監視できないので関連機関が『知った時は』対処する、という形らしいです。つまり、他にどんな違法サイトがあってもインターネットホットラインセンターとかが気付かなければ放置、と言うことも出来る訳ですね。ホント、色々と穴だらけで中途半端な話です。
 また、判断基準についてはこのように述べています。

 とはいえ、「残虐性」の定義もどのように考えるべきは議論が分かれるだろう。例えば、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所が公式サイトで遺体の写真を載せている。それは「残虐性」に該当するのだろうか、しないのだろうか。また、性情報について、青少年がまったくアクセスできなくなる可能性があるのではないか、といった懸念がある。

 「(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所の死体写真は)該当しません。戦争の報道写真、人権侵害の起こった報道写真についてはひっかからないです。(性情報についても)普通に思春期の青少年が見て楽しむものは該当しないことを想定しています。そういうことを担保するために、独立した委員会に詳細を決めてもらう」


自民党「有害ネット対策」 高市早苗議員に聞く
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080402/22989
(オーマイニュース)より


 戦争報道などは引っかからない、もなんか微妙ですが、後半の『(性情報についても)普通に思春期の青少年が見て楽しむものは該当しない』とか意味が分からないです。えーと、例えば水着写真はオッケーだけどヘアヌードはダメみたいな?その線引きはどうするの?少年漫画雑誌みたいに乳首が出てるか出てないかで決めるんですか?
 色々と不備のある法案なのは確かなようです。


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Posted by 哲学 at 05:22│Comments(0)ニュース
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