2008年03月18日

チベットと中国の主張

 チベット問題でチベットと中国がそれぞれの見解を出しました。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は18日、チベット人による暴動の収拾がつかなくなった場合、自らが辞任するほかないと表明した。

中国のチベット自治区などで騒乱が激化する中、ダライ・ラマはチベット人に対し自制を呼びかけ、「事態の収拾がつかなくなった場合、(自らにとって)唯一の選択肢は完全な辞任しかない」と語った。

僧侶が率いる抗議活動は3月10日に始まった。当初は平和的なデモ行進だったが、14日までに中国のチベット自治区ラサなどで暴動に発展。中国当局はこの騒乱で16人が死亡したと発表、インドのダラムサラを拠点とするチベット亡命政府は80人が死亡したと数字が食い違っている。



 ダライ・ラマ14世はあくまで武力ではなく、対話を要求しており、民衆に対しても感情任せの争いを止めて欲しいと常に訴えかけています。自分の進退までかけて。
 チベット仏教の最高指導者は終身制です。だからおそらく亡命政府の責を辞任するという意味でしょう。これは色々と重い判断です。(ちなみに、「チベット仏教の最高指導者を辞退」=自殺になるのでたぶんそれはないと思います。)
 それに対する中国の主張。

 国務院の温家宝総理は18日午前、国内外の記者に向けた記者会見に出席し、英国フィナンシャルタイムズの記者の西蔵(チベット)問題に関する質問に答え、次のように述べた。

 私たちは重ねて厳粛に申し上げる。もしもダライが独立の主張を放棄し、チベットが中国領土の分割できない一部分であることを認め、また台湾が中国領土の分割できない一部分であることを認めれば、

 対話に向けた我々のドアは常に開かれていると。
これは私たち自身が提案した条件で、現在でも変わっていない。

 このほど発生した事件によって、カギとなるこの問題においてダライが偽りの仮面をかぶっていたことが証明された。だが、たとえそうであろうとも、中国の従来の主張はまだ有効だ。この問題でカギとなるのはダライの行動だ。

 私はここで問い返したい。拉薩(ラサ)でこのような驚くべき事件を起こし、中国のその他の地域でも類似した事件を起こそうと画策し、他国の中国の大使館や領事館を襲うように仕向けた黒幕が、ダライと無関係と言えるのかと。私たちはダライの発言だけでなく、その行動も見て、ダライに対する判断を下している。(編集MA)


http://www.people.ne.jp/a/0539dcd91d52453cb7dcb64d1bf8328a
 「人民網日本語版」 2008年03月18日


 中国側はあくまでダライ・ラマ14世が暴動の黒幕、あるいはその関係者であると言い張り、チベットの独立をあきらめることを条件に対話すると言っています。しかも、その上で「台湾も中国の一部である」という一連の事件に関係ないことまで認めさせようとしています。
 これはあまりにも横暴で、自分勝手な論理と言えるでしょう。
 この問題の解決はまだまだ先になりそうです。 


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Posted by 哲学 at 22:43│Comments(0)ニュース
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